グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ




脳梗塞



脳梗塞とは

脳には絶えず新鮮な血液が必要です。脳の中には酸素とブドウ糖の備蓄が無いため完全に血液が途絶えると、脳の神経はわずか4分で死んでしまう=脳梗塞になってしまいます。4分間血流が途絶えただけで脳梗塞になってしまうのなら、早く病院を受診し急いで治療を行うことは意味がないのでしょうか。
脳の主要な血管の1本が詰まっても、ほとんどの場合隣の血管から血液が回りこんできます。この回り込んでくる血液(側副血行といいます)が多いか少ないかによって症状が強いか弱いか、脳梗塞の範囲が広いか狭いか、そしてその後の後遺症が重く残るか軽く済むかが決まります。
脳の血管が詰まると、その血管に近い部分は血流がとても少なくなり(虚血コアと言います)早く脳梗塞となってしまいます。そしてその周りには血流が少ないながらも、側副血行でなんとか生きながらえている部分があります。ここは側副血行で生きているもののこのまま血流が少ない状態が続くとやがて壊死して脳梗塞になってしまいます。この、まだなんとか生きているけれども放置するとやがて脳梗塞になってしまう領域を“ペナンブラ”と呼びます。このペナンブラの領域を救うためには、すぐに病院を受診して、すぐに詰まった血管を再開通させないといけません。一般に血流が途絶して3時間以内に再開通が得られれば、このペナンブラ領域が壊死せずに済むことで症状が劇的に改善することがあります。また、脳梗塞に陥ってしまった領域や側副血行の多さにもよりますが、発症から24時間以内であれば再開通治療を行うことで脳梗塞の拡大を食い止めることができ、後遺症が軽くなったという報告もあり、発見が少し遅くなったとしても諦めず、すぐに病院を受診することをお勧めします。

大事なことは、どこの病院でも良いという訳ではないということです。脳梗塞について十分な検査や治療が行える病院でないと、治療が適切に行われなかったり治療目的に他の病院に転院しないといけなくなったりします。そうすると、その分治療までの時間がかかってしまいます。過去の報告では再開通時間が30分遅れる毎に、後遺症が軽く済む可能性が10%ずつ低下するという報告や、再開通時間が1時間遅れると後遺症が軽い人が38%少なくなるといった報告もあります。

脳梗塞の症状

脳は各部分で働きが異なり、脳のどの場所がダメージを受けたかによって症状が異なります。脳梗塞の代表的な症状は、意識障害(呼びかけても目を覚まさない、反応がない)、言語障害(呂律が回らない、言葉が出てこない、言葉を理解できない)、運動障害(右半分、あるいは左半分の顔面や手足半身が動かなくなる)、感覚障害(半身の感覚が鈍くなる)、平衡障害(めまいやふらつき)、けいれん、視野障害(視野の一部が欠ける)、視力障害(片目がぼやける)などがあります。突然起きた症状で脳梗塞かどうかを見分ける簡単な方法として、顔のゆがみ(歯を見せるようにしてもらうと顔がゆがむ)、腕の運動麻痺(眼を閉じて腕を水平に10秒間挙げてもらうと途中で下がる、あるいは水平に挙がらない)、言葉の障害(呂律が回らない、話せないなど)の3つの確認方法があります。

脳梗塞に対する治療について

初めにお話ししたように、脳の主要な血管が詰まった場合には、脳梗塞が少しでも拡大しないように、できるだけ早く再開通させる必要があります。再開通させるには色々な方法があり代表的なものは次の4つです。

①詰まった血栓を薬で溶かす方法(血栓溶解療法)
②詰まった血栓をカテーテルで除去する方法(血栓回収療法)
③血栓で詰まりかけている血管を風船で膨らませて拡げる方法(血管形成術)
④詰まっている血管の先に他の血管をバイパスする方法(バイパス術)

①詰まった血栓を薬で溶かす方法(血栓溶解療法)

脳梗塞を起こしてから4.5時間以内の患者さんに行うことができます。t-PA(ティーピーエー)という血栓溶解薬(けっせんようかいやく)を点滴から1時間で投与するもので、簡単に治療ができます。しかし一方で脳出血などの出血を起こしやすいという副作用もある薬なので、4.5時間以内に来院した脳梗塞の患者さん全てに投与できるわけではありません。適切に使うための基準が日本脳卒中学会から出されており、それに従って医師が専門的に判断し、この薬を使うことで効果が十分期待できる場合に限って、患者さんや家族の方にお話して使用します。