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開頭Clipping


動脈瘤の頚部をクリップで閉鎖するので、血液の流入がなくなり、瘤の破裂を防止できる、という理論。

図1:動脈瘤の検査

図1:動脈瘤の検査

【 図 1 】

MRA画像(A)。局所を拡大すると動脈瘤がわかります(C矢印)。ただ、これだけだとよくわからないので、下図のように造影剤を使ってCT検査を行います(B)。骨との位置関係がよくわかります。

図2:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

図2:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

【 図 2 】

3D画像。先のMRAやCTAよりも、より鮮明にわかります。動脈瘤の頚部やその近位から細かな血管が出ていることもわかりますし、Cに示すように、今の血管撮影装置は動脈と静脈とを同時に画像化できるため、開頭手術前の検査としての脳血管撮影は非常に重要です。

血管内治療は動脈だけで治療がなされますが、開頭手術では動脈静脈を見て、手術をするのですから、静脈の情報も重要で、それが入手できる血管撮影という検査は大切だということがご理解いただけると思います。

図3:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

図3:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

【 図 3 】

先の画像をよく見ると、違う場所にもう1つ動脈瘤のあることがわかりました。A, B, Cはそれぞれ局所を拡大しているものですが、Dを見ると、瘤は小さいものの、先端に小さなふくらみ(医学用語でblebといいます)があることがわかります。

図4:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

図4:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

【 図 4 】

A:動脈

図4:動脈瘤の検査(脳血管撮影)

【 図 4 】

B:静脈
開頭手術を想定して3D画像を作成します。動脈瘤は赤矢印ですが、実際の手術では前床突起(黄色矢印~頭蓋骨の1部)が邪魔となり、また、静脈も損傷できないものであるため、開頭ではリスクが高い可能性があると思われました。先に示した小さな瘤は開頭でないと処置できないため、患者さんへご説明し、開頭で小さな瘤は処置し、左の瘤が処置困難な場合は血管内手術で後日処置するということでご了承をいただきました(種々のテクニックを使えばできるのですが、未破裂瘤の場合は何も起こさないことが至上命題になりますから、患者さんの安全を優先した結果、そのような話となりました。

図5:1つ目の動脈瘤処置

図5:1つ目の動脈瘤処置

【 図 5 】

図5:1つ目の動脈瘤処置

【 図 5 】

Clipで動脈瘤の頚部を閉めることで、動脈瘤に血流が当たらないようになります(A-E)。その結果、破裂防止となります。Clipをかける前の動脈瘤を観察すると、bleb(黄色矢印:F)に一致して壁が薄い箇所があることがわかります。Gは別の手術の画像ですが、瘤壁の薄さがさらに鮮明なことがわかります。Blebや、形状変化のあった動脈瘤はこのような状態になっていることもあるということで、定期検査や、事前の検査をきちんと行うことがいかに大切かがわかります。

図5:1つ目の動脈瘤処置

【 図 5 】

図6:2つ目の動脈瘤処置

図6:2つ目の動脈瘤処置

【 図 6 】

Bで見えるように、動脈瘤は前床突起とそれに続く硬膜で覆われ、全体が見えません。これを処置するには「大事な静脈」をよけて、前床突起を削除しなければなりませんが、削除中に静脈を損傷してしまう危険もあります。やればできますが、万が一それで患者さんに不利益があっては困りますので、術前の説明通りここは無理をせず、後日血管内手術で処置を行いました。このように、術前の検査で術中の状況はかなり克明にわかるようになっており、詳細な検査が重要だということがここでもご理解いただけるものと思います。

図7:2つ目の動脈瘤処置

図7:2つ目の動脈瘤処置

【 図 7 】

実際の手術は脳を牽引したりしているため術前の画像と完全に一致はしませんが、大まかなことは十分わかります。開頭手術だけでも、血管内手術だけでもすべてが網羅できるわかけではありません。術前の検査をしっかり行い、より安全な治療を行うことを常に重視して参りたいと思います。